スタビレッジ村民到着!

「やっと着いたあ!」
ニーナタウンの入り口。
野を越え川を越えジャンボジャングルを越え、スタビレッジから旅してきた一同は、やっとの思いでニーナタウンに辿り着いていた。
どやどやと賑やかしい、そのメンバーは。
「結局、全員来ちゃいましたネ。」
アルナスルが一同を見回してやれやれと首を振る。
出店を出しているななかとレダを除いたスタビレッジ住民全員が、その場に集合していた。
「ジュウドは来ないかと思っておりましたわ。」
「ああ、一泡吹かせてやりたい相手ができてな……。」
「何があったんですの……?」
ギラギラと危なげな闘志を瞳に揺らすジュウドに対し、ラピ・ラズリが呆れたようなため息をつく。

「ラズリ。」
マフラーを引っ張られ、ラピ・ラズリは振り返った。
「私は植物の苗を置いてる店を探しに行くわ。ミナノも着いてくるそうだけど、あなたもどうかしら。」
ハンナの後ろに目をやってみると、ミナノがハンナの帽子の端をちょこんと握ったまま、不安そうにあたりをきょろきょろしていた。
「ごめんなさい。友人がお店を出していまして、ちょっと様子を見に行きたいんですの。」
「そう」
ハンナはコクリと頷くと、ミナノの手を引いて踵を返す。
ゆっくりとしたペースで歩んでいくハンナ達のさらに向こうでは、

「イタズラ用品の店はどこにあるでしょう!」
「祭りっつったら食べあるきだよなァ!」
「トマトォー! トマトを出す店はっ?!」
メビーとシンとレオナルドが、先を争うように出店の立ち並ぶ方向へ走っていった。アルナスルが「やれやれ」といった仕草をしながらのんびりと同じ道を行く。

「すごーい! あの塔高ーい! 登る登るー!」
ライはそう叫びながら、階上に上がる階段を駆け上っていく。

「まァ、まずは観光ですかねェ。」
「ボクはお祭りも街も全部余さず見てきたいなー。あとで情報を纏めるの!」
りんことロットーは、のんびりとニーナの街の中央へと足を向ける。

「ワシは景色の良い場所に行きたいのう。」
モノカは周りをキョロキョロ見回して、どこに行くのか品定め中のようだ。

「ワタシはちょっと知り合イに会っテきマす。」
ラレイヴが湖の方向を指して言う。

モースは何をしに来たつもりなのか、湖を取り巻く森に向かって、大あくびをしながら歩いて行く。

ジュウドが全員の背中に向かって、「集合時間になったらちゃんと戻って来いよー!」と声を張り上げた。相変わらずの面倒見の良さだ。
あなたはどこに行きますの、と声をかけようとして振り返ったら、準備体操をしているジュウドと目がぶつかった。
「き、気合入ってますわね……。」
「おう。」
「一泡吹かせるとか仰ってましたけれど、何の勝負ですの?」
「くじ引き。」
「準備体操の意味は?!」
何はともあれ、こうして、スタビレッジの住民たちは、散り散りに祭りの空気の中に溶け込んでいった。

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なななな姉妹とトマトキョウ

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