おいしし小噺③勘違い乙女道

「おや、スターチスさん……お出掛けですか?本日は観光のお客様も多いですから、お気をつけて下さいね。」

「ええ、ありがとうレフベル。ご心配ありがとう。」

…なんか、

「おっ、チッスじゃん。丁度良かった、今日よ、東通りのプリン屋で限定50個のプリン発売なんだ!一緒に食べようぜ。」

「わっ、本当!?もちろん、行く行く~!」

最近、

「……スターチス殿から手を離してもらおうか。さもなくば。」
「きゃー!シャトールくん…た、助けて…!」

たぶん、

「あ、スターチスサン!今ちょっと、お店の方デ、新作ロールケーキの試作をしてたんデスが、少し食べていきまセンか?」

いや、ぜったい?

「やあ、今日も帽子が似合っているねスターチス。今日も絶好のお茶会日よりだ、ひとつ私の家で紅茶でもいかがだろう。」

「……皆が私に優しいと思うの!!もしかして私、モテ期きたかも!!」

「…なんでそれを私に言うのよ……」

「だってぇ、こんなこと話せるの、レイミィちゃんくらいしかいないんだものぉ……」

「はい、ステラ=カラメッラ特製チーズケーキおまたせ!それでそれで、ねえ、何の話何の話??」

「ちょ、ちょっと、キャルちゃん声が大きいよ……もしかしたらその辺りに皆いるかもしれないんだからっ…ぽっ」

「もう……スターチスちゃん、すっかり自分の世界だね……あ、このチーズケーキ、美味しい。」

「でしょでしょ!……で、スターチスちゃんは、一体なにされちゃったの!おしえてよ~」

「え~、聞く?聞いちゃう?聞いちゃいますか~……えへへぇ、実はぁ……」

ーーーーーーー

「とかとかぁ、あと、マークリーくんには二人きりでお茶会に誘われちゃったりしちゃってぇ……」

「…でも、それなら、」「うん、私も」

「え」

「レフベルくんがまめに声をかけてくれるのはいつものことだし」

「う」

「あたしもこの間エドくんと二人でプリン食べにいったなぁ、あそこのお店のプリン、絶品なんだよね!」

「い」

「私も、昨日はM君と二人でお店に残って期間限定のロールケーキ作って一緒に食べてたし…」

「あーー、もうっ!スイートストリートの男の子って、皆どの女の子にもお砂糖みたいに甘いのね!」

「「あはは……」」

「……で、でも、あのとき私のピンチに颯爽と駆けつけてくれたシャトールくんは…」

カランカラン

「おや、皆様…これはこれはお揃いで」

「あっ…シャトールくん!いらっしゃい!」

ドキッ
(やだ、やっぱり、これって運命!?)

「…そうだ、シャトールさんって、スターチスちゃんについて、どう思いますか!」

「ちょっ、あっ、レイミィちゃん!!?」

「スターチスさんですか?……そうですねーー」

(きゃ、きゃーっ…!)ドキドキ

「スターチスさんは、素敵な方ですし……きっと、素敵な殿方が、見つかると思いますよ。」

「アッ……ハイ…」

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