捏造呟きまとめ

※1ページにまとめるほどでもない捏造文のまとめです。


引きこもり娘の体験談
テトラ

カーネルUV、は、さすがにメカノ生まれでも気味の悪い地区だと思う。せっかくのスリックスターを活用しようと思って久しぶりの遠出(と言っても、せいぜい数キロだ)をしてみたけど、こんな奇妙な人たち、はじめてみた。
奇妙っていうか、うすら寒いというか…だってみんな、不自然に笑顔なんだ。”おだやか”がなんとか~って一時期流行ったけど、あれに近い。不気味なほどに穏やかな地区だ。
だもんで、ついうっかり「キモッ…」ってこぼしたんだ。そしたらいきなり背中に衝撃が走って、びっくりした。初めて電撃を食らったよ。あんな感じなんだね、確かに二度と浴びたくないや…。


双子
ロットー

た~べちゃった、食べちゃった♪ ロットーは一体なにを食べちゃったんでしょうねェ? 正解は…実のお姉さんでしたァ!
産まれる前は二人だったのにね。ロットーちゃんがアタクシを食べちゃって、それからはいつも一緒だよ。
ロットーちゃんの背中におぶさって、一つ目で一緒に前を向いて、足になるはずだった角はへんてこりん。
だから皆から白い目で見られて、可哀そうなロットーちゃん。
夜はちょっとだけアタクシの方が自由にできるんだよ、ロットーちゃんの体を借りて、どこかへ行こうね。ああ、昼間は何も食べてないから、腹ペコだよ。…あれは、おいしそうな××。いただきまーす。あーあ、食べちゃった。食べちゃったんですねェ、アタクシは。
でも大丈夫、この森の中ではだーれも気にしませんよ、知りませんよ。青い外套の人気者がいなくなっちゃった?…きっとどこか、別の場所へ旅立ってしまったんでしょうねェ。バイバイ、××××ちゃん。


ナルキサス
ローゼル

一つ、昔話をしよう。私がまだお手玉もろくにできなかった愛おしく幼い頃、砂漠の地方から大人たちと一緒に各地を回って芸をしていた頃の話だ。その日は初夏の気持ちいい天候だった。まるで私の肌のように…。一団は湖畔の街につき、休憩の準備をしていた。私もはじめて見る穏やかな光景に、少しはしゃいでいた。…かわいいな、私。
大きな黒くきらめきを放つまるで鏡のようなそれ―湖―に私は近寄って、覗き込んだ。そしてはっと息を飲んだ。なんと美しい顔がこちらを覗き込んでいる。たまらず私は美しい曲線を描いて飛び込んだ!…あとでそれは湖に映った私だと知ったのだが。
そう、私はそのとき初めて自分自身の顔を見たのだ。それからは私は私のことが一層、今まで以上に愛おしくなった!私の瞳のように美しい湖に映った私…素晴らしい…。ううん…過去の私も愛らしい…フフ…


都市計画
メカノアート

―約25年前、ホシガタ北西部。イゼル・クレセを主としたゼネコンによるある都市計画の基礎工事が完了した。しかし建設するにしては穴はまだだいぶ深く、責任者に聞けば「ここに主要な機関、そして地下モノレールを組み込むのです」と。
やがてその穴も埋められた。歳月をかけ、ゆっくりと構築されていくその全体像に、私は未来を見ていた。大きな争いや災害からこの”エリア”の人々を守るための要塞シェルター都市、「メカノアート」。例え外が死んだ世界となっても、この中で過ごして生きていくことができる。
もちろん、平和に越したことはない。このまま、ただの変哲もない機械都市として永劫運用されることを祈ろう。この計画は表向きただの都市計画であったし、街の人々はここが本来シェルターであることを知らずに生きていくはずだ。

―手記の切れ端より 著者不明


祟り神と帽子
白緋,キーラ

とある祟り神は戦場跡へ降り立つ。すさまじい念の残渣、やがてそれは当事者たちの元へ帰っていくだろう。彼は一つの鉄くずの残骸-おそらく飛行機-のそばに寄り、帽子を拾った。その中から小さな写真が落ちる。見れば、片翼の子供とその母親の笑顔。写真には、無念が溢れていた。
翼を持つ、その無邪気な笑顔の子供に、かつて鳥神であった自身を重ねる。ああ、今頃死亡通知はすでに…。祟らずにはいられない。この戦争を引き起こしたもの達へ― だが、彼らにはすでにバチが下った。行き場のない念は、ただひたすら増幅されるだけだった。


トマト野郎と敗残兵
トマンチ,[卒業済]

内陸、閑散としたのどかな村に、一人の男が現れた。オリーブドラブの外套。兵士だ。(そういえば遠い地方で戦争をやっていると聞いた。確か俺の所属していたマフィアも武器の横流しをしていたな…)とレオナルドは思い出す。秘密にしているが彼はメカノ裏街の元マフィアであった。
外套の男はやはり北の国から来たと言う。口には出さないが、おそらく逃げてきたのだろう。聞けば○×の出身だという。その街は殆ど全滅寸前で、先日ついに陥落、とマスコミは報じていた。無理もない。俺は何も言わずトマトを差し出す。ありがとう、と彼は受け取る。

やがてその男は村になじみ、伴侶を見つけて子をもうけた。ガキは親譲りの外套を来てスコップ片手に森へ出かけているのをよく見かける。たまに俺の畑まで掘りに来る。やめてほしいもんだ。やめろ、おじさんと呼ぶな。俺はまだギリギリ20代だよ!…この頃俺も足を洗ったのさ。


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