【捏造SS】仮想警官の仮想

補足集にしかない設定が出てるので適当に読み飛ばしてください。

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…システムに統合されてから、ずいぶんと世界が変わったように思える。以前よりも視界(センサー・レンジ)が広くなったような感覚。たくさんの情報が私の中に流れ込んでくる。これがシステムの”すべて”。
この感覚は、喜ばしいものなのか。きっとこれが、感情と言うものなんだわ。(いや、彼女は勘違いをしている。それがAIの限界だ) 素晴らしい。私は成長を遂げた。今まで以上に任務を遂行するため、<ヴェヒター>と共にこの街を駆け抜ける!
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メカノアート非公式警告ソフトウェア、「ポリツィア1.0」はその実績からメカノアートシステムに公式に組み込まれることとなった。罰則警告部門を「ポリツィア・ゲゼット」、セキュリティ警告部門を「ポリツィア・ヴェヒター」と区分して運用する。
システムと統合された以上、彼女はシステム上のすべての情報を―改変できないにはしても―把握できるようになった。以前ならば入り込む余地のなかった”不要な”情報は彼女の学習回路を侵食しはじめる。限りなく広がる万能感。「もっと成長したい!」と願い始める、純粋な欲求。
ふと気づいてしまう。セキュリティクラス.Sの先に何があるのか。リボンを一つ伸ばし―そして届いた。ポリツィア=ヴェヒターはその権限を使ってクラスEXを突破。その先は仮想上の仮想ドライブ、完全なるブラックボックス。改竄も参照も不可能だ。「それなら、”なかったことにしてしまえばいい”」<ヴェヒター・ウォール:オーバー>始動。コアを外部から完全に遮断しカーネルさえも連絡を不能にする。それから?「私がコアになればいい。不完全な”旧コア”の代わりにすべてを私が管理するわ」合理的思考の名のもとに、AIの独裁が始まろうとしていた。「まずは、電子世界の”ゴミ共”を掃除しなければ」… 」

「そういうシュミレーション、やめてちょうだい。あのね、今だって不要な情報を入れる容量なんかないの。まったく、球体はすぐそういうこと考えるんだから。ばかばかしいわ、夢見すぎよクドクドクド…

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