ドラゴンとダークマターと裏町と…

ノヴァはメカノアート付近の洞穴で夢から覚めた久しぶりに嫌な夢を見たような気がする。とても嫌な夢だ。こういうものは大体正夢となるのがノヴァの欲しくもないセンスの一つだった。
「あいつが来るのかよ…メビウス・レクイエム」
「悪かったな我で」
「メビウス!?何でここにいんだよ!?」
後ろから急に話しかけられさすがのノヴァもおおいに驚いた。メビウスはカービィではない、カービィの敵であるダークマターだ。しかしメビウスはカービィ達と友好関係を築きたいいわゆる特異個体だ。
「お前がメッセージを飛ばしたんだろう。我が他の世界に来れるなんてそうそうないからなおいしい話だと思うのだが?」
「まぁそうなんだけどさ」
はっきり言うとノヴァはメビウスが苦手だ。死体をいつも連れまわしているし、それが原因で襲われてるし。メビウスは本当に謎に包まれてる。
「あー我の住んでいるところだがなあのでかい機械街の裏町だ。」
「あーメカノアートの裏町…ってえっ!?」
アークやカイレがいるところに住むなんてただの自殺行為でしかないとノヴァは思った。絶対正義のアーク。ツンデレ(?)警備員のカイレ。
正義感の塊が集まる場所に堂々とダークマターが行くとなるとただの攻撃してくださいと言っている的でしかない。
「では案内しよう」
どうやら自分の家に案内してくれるようだ。
「心配でマジで死にそうだ…」
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メビウスはなぜノヴァが心配そうにこちらに視線を送るのかが全くもってわからなかった。たしかに到着早々いきなり戦車に砲撃されかけたがあれはいわゆる流れ弾だろう。迷子のカービィにもあったが絶叫とともにどこかに逃げられてしまった。
「うむ。ここだ」
ノヴァをメカノアートと言うところの裏町の自分の家に招待した。
「へー…意外と普通」
「侵害だな。もっと真っ黒なところだと思ったか?」
「うん」
「・・・」
ノヴァはいつもながら失礼だなと内心思いつつ家の中に入ろうとしたところ…
「ダークマターお兄さんとノヴァ…あれ?何でノヴァがダークマターと一緒にいるの?」
「げっアーク。実はな」
「そんなことより正義執行!!」
メビウスは予想していたかのようにさらりとアークの剣戟をよけた。戦い慣れしているのだろう。ため息をつき話しかけた。
「名を名乗ろう我の名はメビウス。いかにも我はダークマター族だ」
「んー僕はアーク!!君を倒すヒーローさ!!」
「先に言っておこう。我もダークマターの端くれ簡単に勝てるとは思うなよ?」
「君って強いの?」
「戦ってみればわかることであろうな」
軽く話した後
「ふん!!」
アンプ型に変形した手からソニックブームが放たれた。
「ちょ!?おま!!このぉ!!」
ノヴァは慌てて音を打ち消しあった。メビウスが放つソニックブームは巨石すらも粉砕するレベルなのだ。
「何故邪魔をする?」
「お前の威力は町を破壊に導くわ!!」
「そ、それはすまぬ…」
ノヴァの正論にメビウスはたじろいだが戦いの最中に気を緩めるわけにはいかない。とアークを見たが目の前から消えていた。
「…上か!!」
「よくわかったね!!!」
アークは大きく跳躍していてその剣を振り下ろした。しかしメビウスはカービィを動かし真剣白羽どりをした。
「甘い!!」
「強いね!!だったらこれはどう!?」
そのまま銃形態に変形しメビウスの本体に向けて撃った。
「ふん!!」
それを魔法で壁を作りガードした。そして
「遊びはここまでだ…そろそろ周りに迷惑がかかる…」
「悪人が何言ってるのさ!!」
メビウスはカービィを動かしアークの裏を取った
「あっ!?速い!!??」
「ふん!!」
「あぁぁぁあああああぁぁぁあああああああ!!!????」
メビウスの雷の魔法でアークは故障寸前まで壊された。メビウスのカービィは死体であるためダメージを負った気配がなかった。
「おいおい…やりすぎじゃないか?」
「少しやりすぎてしまったな許してくれ」
ノヴァは戦いが終わったことを確認しアークを背負った。アークはとぎれとぎれの意識の中メビウスに聞いた
「ガガ…何で…ザザとどめを…ビビザザ…刺さないの?」
メビウスは
「私はダークマターだ…しかし我はカービィ達が大好きだ。明るく活発、笑いが途切れぬ。はっきり言うと羨ましいのだ。今回はやりすぎたすまぬ。だから、良ければ我の友になってはくれぬか?」
「ガガ…考えて…オク…ヨ…」
「早く直しに行くか!!」
「頼んだ」
メビウスは本当に申し訳なさそうにあとを見送った。
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数時間後
「…我に用か?」
メビウスの前にはまたカービィが立ちはだかる。しかしメビウスは言った。
「我は、カービィが好きだ。だが戦うと言う事は覚悟せよ。我とてダークマターの端くれ簡単に勝てると思うなよ?」

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