【小説】デザイア•シード 第1話「私と植物」

「うーん、いい天気だねえ」
 こじんまりとした可愛らしいティーカップをコトンとテーブルの上に置いて、そんな事を呟いてみる。
 お洒落な西洋風の東屋の屋根からは太陽の温かな光が漏れ、とてもいい気分だ。なにぶん、季節は立春。今日は久しぶりに身体暖まる温度だけど、つい昨日までは凄く寒かったからね。
「とはいえ、吹き込む風はまだまだ冷え込むなあ。…よいしょっと」
 と椅子から立ち上がり散歩にでも出ようとした時だった。
 目の前で大きな口を開けた帽子を浅めに被ったオッドアイの女性が、不敵な笑みを浮かべてこちらを見つめていた。
「おや、エルバさん。おはよう」
「おはようございます…って、もう正午はとっくに回っていますよ?」
「あれ…そうだったけかな……」
「そうですよ。それよりも、これからどちらへ行かれますの?」
「少し散歩にね。エルバさんもどうかな?」
 せっかくだからと誘いをかけてみるが、エルバさんは首を横に振る。
「そっか。残念」
「これから実験用に新しく植えた草花の収穫に行かなければいけないので。ごめんなさいね」
「いや、大丈夫だよ。それじゃあ僕はこれで」
「ええ、それではまた御夕食の時に会いましょう」
「ああ」
 互いに慣れた流れで手を振り合うと、東屋から離れてゆく。
 エルバさん、いつも特に用事があるわけでもないのに声をかけてくれるんだよね。ひょっとして私に気でもあるのだろうか。
「……いや、絶対ないな」
 おそらく水やりの時間以外はいつもあそこで座っているだけの私に、もう少し動いたらどうだという意思表示なんだろう、きっと。
「そういえば、今日はまだ他の人たちには会ってない気がする」
 どうせだし散歩ついでに皆の様子も見に行ってみようか。うん、そうしよう。
 そうと決まればと、ゆったりとした足取りで色とりどりの植物園を歩き始めた–

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「…お、さっそく誰か発見」
 数分歩いたところで、草花の影に隠れてごそごそとやっている後ろ姿を見つける。
 あの大きな緑色の逆円錐型の帽子は……
「サラセニアさん」
「ん?あ!アイリーさん!おっすおっすー!」
 私に気がつき振り返ると、満面の笑顔で飛び跳ねる。そんな彼女の元気に気圧されながらも、口を開く。
「今日も元気いっぱいだね…何かいい事でもあったのかい?」
「えっとですねー…いい事あったんだけど、ちょっと困っちゃってて」
「困ったこと?」
「うん。これなのです!」
 いい事なのに困ってる…ねえ。どういう事なのかさっぱり分からないままサラセニアさんの指差す方向に視線を移すと、目を疑う光景に「んん?!」と思わず声を漏らす。
「えっと、これ、その…もしかしてカイエンさんじゃないのかい?!」
「そうなのです」
「いやいや、そうなのですって……」
 特に焦っている様子もなくじっとしているサラセニアさんとは裏腹に、ふつふつと汗が噴き出し始める。
 目の前では得体の知れない食虫植物が、足をバタバタとさせているカイエンさんを今にも飲み込みそうな状況だった。
「とにかくこのままだとまずいよ!早く助けないと!!」
「えー!せっかく育てたのにぃ〜」
「また育てればいいんじゃないかな?!大丈夫!きっと君ならまたすぐにでもこれ以上のが作れるよ!ね!?」
「うーん……分かったよー」
 サラセニアさんは渋々返事をすると、炎を纏ったリーフで植物の茎部分を根本から綺麗に切断した。
 炎が他の植物に燃え移らないように大急ぎで小さな火種を踏み消すと、やっと一息つく。
「ごめんね、植物ちゃん…」
 炭になっていく食虫植物に悲しそうな顔を向けるサラセニアさんに少し心を痛めつつも、ぐったりと倒れ込んでいるカイエンさんの元へと駆け寄る。
「大丈夫かい、カイエンさん?」
「うゔ…酷い目に遭った……」
「ふう……どうやら無事みたいだね」
「えっと…ありがとうございます」
「あ、礼ならサラセニアさんに」
「え、いや、そのサラセニアさんの植物にやられたんですけど…」
「にゃはは〜、カイエンさん大丈夫だった?」
「どうしてそんな笑顔なんですか?!絶対反省してないですよね?!!!」
「あはは…ごめんねー」
「やれやれ……」
 まあ、大ごとにならなくて良かったよ。職員が1人食虫植物に食べられて消化されたなんて話、面白くもなんともないからね…食虫植物っていうよりは、もはや食人植物だけど。
 その後私はカイエンさんの傷を治療した後、やっと落ち着いた2人に注意を入れてその場を後にした。

 ああいうハプニングもたまにはいいけど、あんまり度が過ぎない程度にして欲しいな…正直肝を冷やしたよ……
 と先ほどまでの事を考えながら歩いていると、突然何かにぶつかって少しよろける。
 なんだなんだと前を向くと、そこには木材でできたカゴを抱えたグリーン君が、尻餅をついて座り込んでいた。
「あ、ごめん!大丈夫かい?」
「う、うん。大丈夫。ちょっとびっくりしちゃったけど」
 そう言ってグリーン君は立ち上がると、空のカゴをしっかりと抱えて「あっ」という顔をする。
「そうだ!ボク、これから午後のお茶会に使うお茶の葉を摘みに行くところだったんだけど、アイリーもどう?」
「お茶会か…お邪魔でなければ是非参加させて欲しいな」
「ほんと?じゃあ先に行ってて!西のアサガオ広場で参加者は皆待ってるから!」
「アサガオ広場…ね。分かった、と言いたいところだけど、私もお茶の葉摘みを手伝うよ」
「え、でも……」
「気にする必要はないよ。私がそうしたいからするんだ。さあ、行こうか」
 私は困惑した表情で立ち尽くしているグリーン君の手を引くと、軽快な足取りで目的地へ進んでいく。

 なんだか不思議な感じだ。
 ついこの前まで赤ん坊みたいだったグリーン君が、今やお手伝いをできるようになるなんて。
 最近ではここから外に出て、他の街の自然から花の種を取ってくる事までしているらしいから驚きだよ。
 でも、反面心配でもある。こんな小さな子が、自分のいない旅先で何かあったりしたら…

 ……いや、やめよう。
 そんな事を考えたって仕方ない。今はお茶会の事だけに集中しよう。

 そう心に聞かせて、グリーン君と共にお茶の葉を摘み終わると、アサガオ広場の前に到着した。
 広場では、すでに準備の方を始めていたチナシーさんとラフティアさんがとても忙しそうにあちらこちらへと動いていた。
 私は彼女たちに挨拶をすると、何かする事はないかと尋ねる。
「何かする事ですか?んー…アイリーさんにやってもらいたいことはないですね…」
「ま、大方の事は済んでしまっているからね。緑目くんとマフラー氏は先に席についていてくれ」
「そ、そうか…」
「あ、これ!お茶の葉採ってきたよー!」
「お、ありがとうね。これで美味しいお茶を入れてあげられる」
 チナシーさんはそういうと、ティーポットの蓋を開け採ってきたばかりのお茶の葉を放り込む。
「それでは私達はお言葉に甘えて待っているとしようか」
「うん!」
 グリーン君の元気の良い返事と共に、甘いにおいの漂うテーブルの前に腰を落とす。
 ショートケーキにチョコシフォン、あれは…ミルフィーユといったかな。その隣には可愛らしい形をしたクッキーまであって……一言で例えるならば、お洒落…という言葉がよく似合う。
「うーん…おはぎはないのかぁ。がっかりー」
「ごめんなさい。次のお茶会では用意してあげますね」
「ほんと?!やったー!!」
 両手を上げて大喜びするグリーン君を見て、ラフティアさんも自分も自然と笑みがこぼれる。
 グリーン君は可愛いなあ。
 見ているだけでほっこりする。もうすっかりこの植物園のアイドルって感じだね。
「あなたたち、お茶ができたぞ。ほら、座って座って」
 チナシーさんはティーカップいっぱいに注がれたお茶を全員の前に配り終えると「さあ、頂こうか」と午後のティータイムの始まりを告げる。
 その言葉を引き金に、各々食べたいものの乗った皿を手に取って口いっぱいにほうばる。なんだかみんな幸せそうだ。
 さて、私も適当にご馳走になるとしようか。
 ゆったりと流れる幸せな時間を噛み締めながら、私は午後のお茶会を満喫した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふうー、実に良かった。たまには散歩もいいものだね」
 再び戻ってきた東屋の椅子の上でお腹をさすりながら、夕暮れの日差しを遠目に見つめる。
 真っ赤に燃える太陽が今日はもうおしまいだと言わんばかりに目一杯輝いているのを見て、こんな何事もない平和な生活が続いたらな…と思う。
「さてと…あれ?もう夕食の時間かい?」
 夕陽をバックに影を伸ばすエルバさんに問うと、彼女は首を横に振って小さな小包をテーブルの上にドシっと乗せる。
「なんだい?これは」
 いたって普遍的な土色の包装紙に巻かれた小包の送り主を確認してみると、そこには見覚えのある名前が記載されていた。
「これ、イオンから…?」
「そうみたいよ。開けてみたらどうかしら?」
「そう…だね。開けてみようか」
 エルバさんの言葉に後押しされて中身を広げてみる。
 中には見たこともない真っ赤な木の実と種、それから透明な液体が入った注射器が7本入っていた。
 それらが一体何なのか、何一つ分からないまま首を傾げていると、伝言が書かれたメモ用紙を発見したので読み上げてみる。
「えーっと、なになに。こんにちは、植物園の皆達。元気にしてるかな?早速だが、旅先で少々面倒な事に巻き込まれてしまった。1人で解決しようと思ったが、どうやらそれは無理らしい。そこで皆の力を借りたい。このメモと共に入っていた木の実と種の出所を探して欲しい。それではよろしく頼む。……だとさ」
「木の実に種…ね。全く、面倒な事を押し付けてきたものですね、イオンさんは」
「そうだね…あ、追記に注射器に入っている薬は困った時に使ってくれだって」
「これのことね。ご丁寧に人数分あるわ」
「ほんとだ…」
 テーブルの上で無造作に転がっている注射器を見て、これは薬だったのかと気づく。
 木の実と種、それから薬…珍しく外出したかと思えばこれだ。やっぱり慣れないことはさせるものではないね。

「とりあえずこの事を職員に知らせよう。みんなは今どこに…」
 と言いかけたその時だった。
 突如耳を裂くような轟音が園内に鳴り響いたかと思うと、獣の呻き声のような野太い音が辺りに広がる。
「な、なんだ?!」
「あれを見て!」
 エルバさんに指差された方角へ振り向くと、推定10mはありそうな巨体をした食虫植物が、植物園の壁をぶち破り侵入してきていた。
「もしかしてまたサラセニアさんが?!!」
 あれだけ注意をしたのに…と思ったのも束の間、サラセニアさんとカイエンさんが吹き飛ばされていく光景を目の当たりにし、青ざめる。
 基本的に自分自身は食虫植物からは無害と言っていたサラセニアさんが、長く伸びた葉で勢いよく弾き飛ばされているということは…あれはサラセニアさんが作り出したものではないということ。なら2人が危ない…!
 それから先の事を考えるよりも体が前に出ようとした瞬間、後ろから手を掴まれ動きを静止させられる。
 振り返ると心配そうな顔を浮かべたエルバさんが、ただ「ダメ…」とだけ呟いていた。
 私はそんな彼女の思いを断ち切るように手を振りほどくと、巨大な植物目掛けて走り出す。
 決して倒せるとは思っていない。でも戦闘に関してはとことん向いてない植物園の職員達を危険に晒すわけにはいかない!
 巻き散る花びらの中、地を蹴り息を切らしながらもあのデカブツの前に辿り着くと、目一杯の声で叫ぶ。
「止まれ!そこの巨大植物!!狙うなら私を狙え!!!!」
 私の精一杯の声に気がついたのか、巨大な植物はこちらへ振り向くと長い葉を振りかざし私へと突き落としてきた。
 真っ直ぐ頭上から振り落とされた葉をギリギリで回避するが、横からきていた葉をかわしきれず、まともに喰らってしまう。
「…っ!」
 地面に何度も身を削られながら後方へ吹っ飛ばされるが、なんとか東屋の前で勢いが止まる。
「いたた…」
「大丈夫ですか?!」
「…大丈夫だよ」
 駆け寄ってきたエルバさんに笑顔でそう答えると、傷だらけの手でゆっくりと起き上がる。

 かなりまずいね、これ。何か手は…!
 どうにかできないかと周りを見渡していると、視線がある一点に止まりよろよろとその場所に近づく。
 そこには薬とだけ伝えられていたものがポツリと置かれていた。
「困った時に使え…か。得体の知れない薬だけど、私は…君を信じるよ。イオン」
 この状況に言い訳するようにそう言うと、注射器を1つ取り出し…ブスリと自分の腕に突き刺した。
 するとすぐに身体中に熱がこもり始め、何かが湧き上がってくる感覚に襲われる。
「あっ…ぐ……これ、は……!」
 考える余裕もなく熱が首の後ろに集中するのを感じ取った瞬間、普段は隠している植物がスルスルとマフラーを軸にして身体中に巻きつくと、深緑のオーラを纏いながら普段の倍以上に固く、鋭利に伸びていく。
「はあ、はあ…やっと落ち着いたね。よく分からないけど…力が満ちているようだ。これなら……」
 自身に宿る強大な力に意識を持っていかれないようにしながら暴れまわる巨大植物を視界に捉えると、地面がめり込むほどに強く踏み込み巨大植物まで飛び上がる。
 相手がこちらに気がついた瞬間、柄じゃない声で叫びながら蔓を振り落とす。
「うおおおおおおおおおお!!!!!」
 凄まじい速度で急降下すると、植物の繊維をズタズタにしながら縦回転をお見舞いする。
 蔓の使い方としては完全に間違ってはいるが、ズドオオオという音と共に倒れ込む巨体を見て、これはこれでアリだなという思考が一瞬脳裏をよぎった。
「とりあえずはこれで…なんとかなっ……」
 とホッとするのを見計らったかのように、意識がプツリと途切れた。

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「うーん…」
「あ、気がつきましたか!良かったー」
 安堵の表情を見せるエルバさんをじっと見つめる。
 なんだ、意識を失っていたのか。やれやれだね……
 寝ていた体をゆっくりと起こすと、自身の体が元に戻っている事に気がつく。なるほど、効果はあまり長くないのね……
「あ、そうだ。あの巨大植物はどうなったんだい?」
「それなら…」
 唖然とした表情でエルバさんが瞳を向ける方向へ振り返ると、そこには頭から真っ二つになった植物が、地面に寝そべっていた。
 自分でやった事なのに、妙に畏怖して目線を逸らすと、名前を呼ぶ声が耳に入る。
「アイリー!」
「うわわ、何これ?!」
「これは凄いですね…」
「大丈夫でしたか?!」
「どうやら無事のようだね」
「みんな…!」
 それぞれがおもむろに口を開きこの場に驚いているのを見て、ふう…と息をつく。
「全員大きな怪我がなくて良かった。カイエンさんとサラセニアさんは大丈夫かい?吹き飛ばされていたのを見たけど…」
「大丈夫大丈夫!問題なし!」
「ええ。ちょっとしたお空の旅でしたね。いい経験でした」
 満面の笑みで頷く2人に少し呆れるが、反面これまたほっと胸をなでおろす。
 兎にも角にも、大ごとにならずに済んだようだ。

「あの、アイリーさん。そろそろ一体これはどういう事なのか、説明して貰えませんか」
「そういえばみんなにはまだ話してなかったね。順番が前後してしまったけど、自分が把握している範囲の事を話すよ」
 そう言って私はイオンからのメモの事を話し始めた。
 最初はみんなよく分かっていない顔をしていたが、エルバさんからの補完もあり、なんとなくだけど全員状況を飲み込めたみたいだ。
「…ということで、これよりイオンからの頼まれごとをこなそうと思う。何か異議がある人はいるかい?」
 私からの問いに、サラセニアさんが元気よく手をあげる。
「あのあの!別に今の話に異議はないんだけど、この人はどうしようか!」
「この人って…誰だい?その人」
 サラセニアさんに抱えられたその人は、顔も名前も知らないがとてもぐったりしていた。
「ねえ、この人は一体どこで…?」
「んーとね、あの巨大な植物の根元で倒れてたのです!あとついでにこの種も!」
「その種って……小包の中にあったものと同じ…!」
 慌てて照らし合わせてみると、やはりどこからどう見ても一致している。となると、この人は何か知っているのか…?
 でも……
「これだけ弱り切っている人を無理やり起こして聞き出すのは酷だね…」
「直接聞いた方が早いとは思うが、確かにそうだな。ひとまずは種とあの巨大植物、それからその人には何かしらの関係があると言うことだけは頭に入れておこう」
「そうだね、チナシーさん。きっと調べているうちに分かると思うよ。その辺も」
「そうと決まれば善は急げなのです!さっさと出発しよう!」
 ウキウキしているサラセニアさんを横目に口を開く。
「すぐに出発するのはいいけど、まずは留守番を決めないとね。ここを開けっ放しってわけにもいかないし、この人の様子も見ないとね。誰か留守番をやりたい人、いる?」
 さらりと発した問いかけに、暫しの沈黙が続く。みんなやっぱり置いてけぼりは嫌なのかな…と思ったその時、ラフティアさんがそっと手を伸ばした。
「やって…くれるかい?」
 私の言葉に、無言で頷く。
「私、いつも外に出ていてここにいる時間のが短かったから、ちょうどいいかなっと思いまして。それに、この人のことが心配で外出なんてできません」
「そうか……それなら、よろしく頼むよ」
「はい!任せておいてください!」

 たった1人になるのを承知で引き受けてくれたラフティアさんに軽く頭を下げると、イオンからの荷物を一通り抱える。
 抱えた荷物を落とさないようにしながら、木の実と種をカイエンさんに、残った6本の薬をグリーン君以外の4人に渡し、余った2本を自分の手元に残す。
「薬の効果は先ほど話した通り。よっぽどまずい状況になった時だけ使って欲しい」
「ねー、ボクの分はー?」
「ごめんね、グリーン君。君はまだ子供だし、戦闘とか危ないことには巻き込みたくないんだ。分かってくれるかい?」
 グリーン君は「えー」と頬を膨らませて抗議するが、頭を撫でてなんとかなだめる。
「そうそう、その木の実と種は君に預けておくよ、カイエンさん」
「なぜ、僕に…?」
「研究熱心な君に、その実と種の正体を明かして欲しいんだ。きっと長い旅になるだろうし、ゆっくりで構わないから」
「なるほど、そういうことでしたか。分かりました」
 カイエンさんは納得して軽く頷くと、実と種を手持ちのバックの中にしまい込む。

 これで準備は整ったね。
 それでは気合いを入れて…
「さあ、出発しよう!!」

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