【絵本】終日帳昔ばなし「こんこんこんのおまじない」

※投稿キャラに存在しない、無名のモブキャラクターが数名登場します。ご了承ください。

こんこんこん　の　おまじない

むかしむかし　あるところに、　みならい水晶守（すいしょうもり）の　おとこのこがいました。
おとこのこは、　まいにち　守り神（まもりがみ）さまに　おいのりにいきます。
「神さま、きょうも、水晶と湯元（ゆもと）を、お守りください。」
　

おとこのこがはじめて　ひとりで見張り（みはり）をまかされた日。
いつものように　おいのりをすませてから　見張りをはじめると、　しっぽをたくさんはやした　きつねのおねえさんが　やってきました。
「なにか　ごようですか。」　おとこのこがたずねると、　おねえさんは　にっこりわらって、　ふしぎなことをいいました。
「おまえさんは　いいこだから、　よおくきいておくんだよ。
こん　こん　こん　きょうは　３にんの　おきゃくさん
ひとりはからす　ひとりはてんぐ　ひとりはこわいこわいオニ
オニには　つのがはえてない　おにには　つばさもはえてない
オニがきたなら　こんこんこん　となえてごらん　こんこんこん」
おとこのこには、　なんのことだか　ちんぷんかんぷん。
ききかえそうとしましたが、　おねえさんのすがたは　まぼろしのように　きえていました。　

おとこのこは、　ふしぎにおもいながら　見張りをしていると、　からすのおんなのひとが　やってきました。
「かあ　かあ　かあ。　きょうはひとりで見張りかの。　ほれ、これを　おひるごはんにおたべ。」
そういうと、　おんなのひとは　おとこのこに　いなりずしをわたして　かえっていきました。

おひるになり、　おとこのこが　いなりずしをたべて　きゅうけいしていると、　こんどは　てんぐのおんなのこが　やってきました。
「まあ、　ひとりで見張りは　たいへんでしょう？　つかれたら　あまいもなかをたべて　やすんでくださいな。」
そういうと、　おんなのこは　おとこのこに　もみじのもなかをわたして　かえっていきました。

ゆうがたになり、　おとこのこが　もなかをひとくちかじったとき、　にんまりとわらったおとこのひとが　やってきました。
おとこのひとがもっている　おおきなふくろからは　なにやらとがったものが　のぞいています。
「ねえ、きみ。　おれは水晶を　ちかくでみてみたいんだ。　そこをとおしてくれないかな？」
おとこのこは　あやしくおもって、　おとこのひとに　こういいました　。
「あなたのもっている　ふくろのなかみを　みせてくれたらいいですよ。」

するとたちまち　おとこのひとは　オニのようなかおになり、
「ちえっ　かんのするどいこどもだな。　むりやりにでも　とおしてもらうぞ！　この水晶で　ひともうけするんだ！」
と、まくしたて、　ふくろからツルハシをとりだして　おとこのこにおそいかかろうとしました。
おとこのこは　きづきました。　
このひとが、　きつねのおねえさんがいっていた　オニだ！
そして、　おおきなこえで　おしえてもらったあのことばを　さけびました。

「　　こん　　　こん　　　こん　　　！！！　　」

するとどうでしょう、　どこからともなく　たくさんのきつねがとびだして、　オニをとりかこんだのです。
オニは　びっくりぎょうてん。
「ぎゃああ！　なんだこいつらは！　たすけてくれー！」
と、さけぶと、　かおをまっさおにして　いちもくさんに　にげていきました。
おとこのこも　めをまるくして、　そのばにたちつくしていましたが、
どこかから　「あしたは、　うちもおいなりさんが　たべたいなあ。」　と、　きこえたようなきがしました。

つぎのひ、　おとこのこは　いつものように　守り神さまにおいのりにいきました。
きょうは、　てづくりのいなりずしと　もみじのもなかをもって。

おしまい。
　
　
　
　
　
※一応漫画扱いで投稿しましたが、ptに関してはECCキャラ登場ページ数のみカウントでお願いします…！

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