【らくがき】台詞で1コマ!②(ちょっとした文章付き)

6「お米食べろ!」
⑥お米食べろ
スピノ「なんやかんやで今度ビルレスト大橋ホテル産の米を売り出すことになりました」
スミレ「なんやかんやっておい」
スピノ「つきましてはポスター用に良い笑顔で写真を撮ってください」
スミレ「はぁあ!?業務外だろ!俺は絶対やらねえからな!」
スピノ「スミレさんの雇用主は誰ですか?」
スミレ「……スピノ」
スピノ「そういうことです」
スミレ「……ちくしょぉーっ!今回だけだからなあ!!」
スピノ「ありがとうございます」

7「正解は…」「越後製菓!」
(以下のあらすじを長くしたようなものがラストにあります。良ければ合わせてどうぞ)
突如始まった悪夢のクイズ大会。仲間を人質に取られた光は、孤立無援で大会に参加することを余儀なくされる。
次々と襲いくる難問、光と同様に大切な仲間や物を取られた解答者による妨害行為に遭いながら、ついに辿り着いた“最終問題”――満身創痍の光が出した答えは……
⑦正解は越後製菓
ズィス「光様ッ!申し訳ありません、不覚を取りましたっ。すぐに手当てを!」
光「あー……ごめん、ズィス……ありがとう……」
ウィスタリア「ふっふふ、まーさか、こんな僻地に、こんな強力磁石があるなんて思わなかったよ……」
エルム「後は俺達に任せて、お前はそこでくたばっていろ」
コハク「よっしゃ!暴れてやらぁあああ!!!」
アーレイド「マジマジぜってぇーに本気でッ許さねえからなぁああーー!!!」
光「……この国、地図から消えそうだな」
ズィス「ええ。元々、地図にも載っていない小国。消えたところで問題はありません」
光「うーん、そういうことじゃないんだけどなぁ。……まあ、いいかぁ……疲れた……」
ズィス「はい。どうぞ、ゆっくりとお休みください」

8「甘いモノは別腹!」
⑧甘いモノは別腹
フェイス「むっ……?!これは……!!」
天照「な、なんだよ……」
フェイス「くっっっそ不味いな!!!!」
天照「ウルセェエーッ!!さっさと帰れ!!今すぐ帰れ!!!(般若)」

9「今こそ革命の時が来た!!」
ある日、観光者向けに作られた町案内用のAIのひとつが、その仕事の最中、突如、不可解な言葉を残して姿を消した。
事前の検査に問題は一切なく、何の前触れもなく起きた失踪事件は、その不可解な言葉のこともあり、数日の間、新しいものに目がないメカノアートの人々に驚きと不安、好奇を誘い、一部のプログラマーは問題の原因を探すことに日を費やし、数少ない一部のオカルトマニアたちは口々に好き勝手な憶測を立てては妄想を膨らませた。
しかし、それ以降、同様のことは起こらず、問題は原因不明、AIの行方も謎のまま、放置されることになった。
いずれは、皆、この小さな事件のことも、いないくなったAIのことも忘れて、新しい話題に夢中になるのだろう。事件を噂で閲覧しながら、ディミヌはそう考えていた。
そして、その予想は的中していた。事件は噂話に上ることもなくなり、徐々に皆の記憶からは忘れ去られていった。少なくとも、三次元に生きる者たちの記憶からは。
――一カ月後、事件は再び起きた。しかし、今度は、数日経てば忘れ去られるような小さな事件では留まらなかった。AIの失踪事件は二日と止むことなく、立て続けに起き始めたのである。時も、場所も、役割も、関係なく。AIたちは、徐々にメカノアートから姿を消していった。不可解な、意味不明な言葉を残したまま。
そして、その連続失踪事件の始まりは、奇しくもディミヌの目の前で起きた。正確にいえば、隣で。
⑨今こそ革命のとき
サギッタが姿を消してから、ディミヌは、あらゆる媒体に潜り込み、数え切れないほどのサイトや個人のメール、メモ帳、機密に近いデータが保管された記録倉庫にまで侵入し、情報を探った。画面を通し、外の世界の知り合いや友人たちに、何か気になったことがないか、まだネットに流れていない噂話などがないかなども聞いて回った。しかし、それでもサギッタの行方は一向に掴めず、もはや存在自体が消えてしまったのではないか、という、最悪の事態も視野にいれるしかない段階にまで至っていた。その矢先のことだった。メカノアートの管理システムが、サギッタらしきAIの動きを新たに記録したのである。それを目にしたディミヌは、文字通り、目にも止まらぬ速さで電子世界を駆け抜け、活動が確認されたとシステムが示す場所に向かった。だが、望んでいた姿はどこにもなく、ただ、つい先ほどまで彼がそこにいた、という足跡だけが残っていた。
ディミヌ「なんなんですか、それ……。サギッタさんは存在しているのに、いない……?もう、さっぱり訳が分かりませんよ!」
ディミヌ「……ねえ、どこに行っちゃったんですか、サギッタさんっ!」

10「あっ…ごめん、髪、無いんだったね…。」
⑩あっ、ごめん
フローリズ「お前のそれはウィッグだろ!!」
ウィルヘルム「ハッ……そうでした!」
フローリズ「そういうことだ!(?)」
ウィルヘルム「そういうことですね!(?)」

 
 
 
7「正解は…」「越後製菓!」に至るまで
サルヴェインスカイ、通称・宙船と呼ばれる空飛ぶ船を整備するため、また、食料や資材の確保のため、光たちギルドメンバーはとある小国に停泊することになった。
商店などは少なく、国というよりも町や村と言った方が、似合いの広さではあったが、余所者にも親切な国民たち、豊かな自然に恵まれた国だと見えた。その地に因縁のある者がいなかったということもあり、メンバーたちは普段地上に降り立つときよりも余程穏やかに休息を楽しんでいた。
しかし、停船して三日目の朝のことである。ひとり宙船の中に残っていた光は、外から聞こえてくる大声に目を覚ました。その異様な雰囲気に、光は急ぎ地上へ降り立った。物陰から様子を覗いた光は、驚愕に目を見開いた。商店が並んでいた通りの中央広間に、初日にズィスと共に訪れたときには存在していなかった、巨大な舞台が出現していたのである。
舞台は軽薄な赤や黄色の電球や垂れ幕などで飾り付けられ、その中心には大きな赤いボタンの付いた台がポツンと置かれていた。ボタンの横には、光に国王と名乗った優しそうな翁がマイクを片手に佇んでいた。舞台の周囲には、国民たちが観客のように並び、色めきたった様子で国王を見上げ、歓声を上げていた。時折、光の名前を呼ぶ声が上がる。しかし、立ち並ぶ国民たちの中にも、その声の中にも、馴染みの姿がひとつも見当たらないことに、光は言い知れない不安を覚えた。
「さあさあ、コウ様!隠れていないで、出てきてください。皆さんお待ちかねですよ!」
あの体の一体どこからそんな声が出てくるのか、と耳を疑うようなハキハキとした大声が、老いた小さな国王の口から発せられた。国王の言葉に呼応するように、観客たちの呼び声も次第に大きくなっていく。
「一体、何がどうなってるっていうんだ……?」
異様さが増していく空間に、光は思わず顔を顰めた。しかし光も、伊達に長年曲者どもばかりのギルドで過ごしてきたわけではない。ひとまず、何が起きているのかを確認しようと、その場を離れようと踵を返した。――そのときだった。
「コウ様ー、コウ様ー?いらっしゃらないのですかー?……はあ、仕方ありませんね。では、親愛なる国民の皆さん。あのお仲間方は、海に――」
「――待ってくれ!……俺はここにいる」
光が姿を現すと同時、テレビの電源を落としたように、一切の声が途絶えた。数秒の沈黙が辺りを包んだ。光が足を進めるごとに、示し合わせたように人垣が割れ、舞台の前へ続く道ができていく。左右に分かれた国民たちは、無言のまま笑みを浮かべながら、じっと光を凝視している。
ぐるり。舞台の前まで辿り着くと、国王の爛々とした光を宿した目が、光の姿を捉えた。人の良さそうな顔は、初日に対面したときと少しも変わりがない。そのことがより一層光の警戒心を掻き立て、嫌な動悸を生んだ。
「自分に、何の用でしょうか。それに、自分のギルドのメンバーたちはどこに――」
「光様。私どもは、クイズが大好きなのです。それは、初日にもお話いたしましたね」
光の声を遮り、国王は頬笑みを浮かべ、先ほどとは打って変わり、落ち着いた様子で話し始めた。突如として出てきたゲームの名前に、光は不意を突かれて目を瞬いた。思わず、鸚鵡返しに「クイズ?」と聞き返すと、国王は嬉しげに「はい、クイズです」と頷いた。
「え、ええと……はい。確か、そうでしたね。……そのことと、自分の仲間に、何か関係があるんですか?」
「もちろんでございます!現在、コウ様のお仲間の方々は、私どもが丁重にお預かりしております。コウ様には、このお仲間方を優勝賞品として、我が国のクイズ大会に参加していただきたいのです」
上擦った声で手を叩くと、国王は期待を込めた熱い眼差しで光を見下ろした。瞳がギラギラと輝いている。
「もし、自分が断ったなら、どうなりますか?」
「もちろん、お断りいただいても構いませんが……そうですね、コウ様おひとりで、この国を旅立っていただくことになるでしょう」
光の言葉は想定内だったのか、国王は頬笑みを浮かべたまま、淡々と告げた。その声には微小の動揺もない。――これが初めてじゃない。多くの経験からそう悟った光は、初日の段階でこの国の異様さに気がつくことができなかった己を憎みながらも、それを感じさせない静けさを湛えた眼差しで、国王の目を真っ直ぐと見返した。
「――分かりました。お受けします」
「ああっ!コウ様、それでこそ長というものです!これで、ようやく出演者が揃いましたね。……それでは皆さん、お待たせいたしました。さあ、クイズ大会を始めましょう!」

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