※私の語彙力と文章力不足で非常に読みにくいのでご了承ください。精進します…
「おかしいなー…この辺りのはずなんだけど…」
メカノアート裏町に得体の知れない何かがいると、ボクの第六感が騒ぎ始めてかれこれ一週間。正体は掴めていない。
と思った矢先_____
「あ、いた!」
その”得体の知れない何か”は、黒い色をしたカービィ族の身体のすぐ側を浮遊していた。あれはボク達___いや、全宇宙から憎まれる種族________
ダークマターだ。
彼らは生物に憑依する能力を備えており、星々を自らの住みやすい環境に変えてしまう侵略者。この惑星にも無数に潜伏していて、稀に人前に姿を現すことがある。
この世の悪は許さない。ボクの心に火が灯る。
「ダークマター!その人を今すぐ解放しろ!」
「む…?これは傀儡のようなものだ、問題はないぞ。」
「嘘だ!そんなこと信用できるものか!」
「お主は誤解をしているようだな。我がダークマターであることは紛れもない事実だが、”イレギュラー”だ。でなければ厳重な警備が張り巡らされた表街に足を踏み入れることなどできぬ。まずは名前くらい名乗ったらどうだ?」
確かに表街はダークマターがやすやすと侵入できるようなザル警備ではないけど、彼が本当に”イレギュラー”であるかはわからないし、強行突破して裏街に逃げてきた可能性もある。ボクは一度深呼吸をして、ダークマターに問いかける。
「まあいいさ。ボクはアーク。正義を刺すサイボーグだ。」
ちょっとカッコつけてみる。
「我はメビウス・レクイエム。メビウスでいい。余計だと思うが”刺す”では無く”貫く”だと思うぞ。」
「ご、ごめん…。ところでメビウスは何故この街…いや、惑星に?」
「私は異種族に興味がある、と言えば警戒されそうだが…噛み砕いて言えば…そうだな。異なる文化を持つ外国人と交流を深めるのが好きなんだ。通じない常識、異なるものの考え方…そういった発見が好きなんだ。」
「へえ…変わってるね。でもわからなくはないよ。ボクもそういうの、ワクワクするから。そうだ、こんなところで立ち話もなんだしお店に案内するよ。」
この人、悪い人ではなさそうだ。多分。
「我々ダークマター族に少しずつ変化が起きている。自分で言うのもなんだが、それは我々のような善の心を持つ、”イレギュラー”が急速に増えていることだ。
イレギュラーは遺伝子の突然変異のように、急に生まれる。大抵は誕生した瞬間からイレギュラーになっているのだが、近年は改心してイレギュラーとなる者もいる。原因など考えることもできないが…これはチャンスだ。」
表街のカフェに入ったはいいけど、話が難しくなってきた。困ったなぁ。
「それはボクたちとダークマター族が仲良くできる日が来るかもしれないってこと?ちょっと無謀すぎないかなぁ」
「確かにアークの言うとおり無謀かもしれぬ。だが我々イレギュラーとこの惑星の者達が協力すれば、成し遂げられるはずだ。事実、この惑星はイレギュラーの亡命先となっているからな。当然、いつ同族が襲ってくるかもわからない。我々イレギュラーが差別され殺されることだってあり得ないことでもない。それでも、成し遂げたいんだ。お主の力を貸してくれないか、アー_____」
「それは無理だと思うぜ。」
「どちら…さん?」
「お主は…キアか。久しいな。」
そのキアというらしい人は空いている椅子に座るとさらに難しいことを話し出す。どんどん収拾がつかなくなっていく…誰か助けて…
「お前は夢を見過ぎだ。同族で殺し合うような連中がダークマターと和解だ?冗談じゃない。奴らは憑依、洗脳、おまけにサイボーグに改造して兵器に利用するような外道だぞ!ふざけやがって…」
「お主の気持ちは分かるが一旦落ち着____」
「いいか、そこのサイボーグ。世の中で最も危険な思想は、悪じゃなく、正義だ。悪には罪悪感という歯止めがあるが、正義には歯止めなんかない。だからいくらでも暴走する。過去に起きた戦争や大量虐殺も、たいていの場合、それが正義だと信じた連中の暴走が起こしたものだ。そこのネクロマンサーのような奴のようにな!」
凄まじい気迫で言い捨てると、キアは店を出て行ってしまった。視線を戻すと、メビウスの思い詰めたような表情が胸に刺さる。
「き、気にすることないよ。確かに難しいことかもしれないけど、それを実現させようという気持ちは素晴らしいことだと思うよ?」
「キアの言う事は正しい。あやつはダークマター洗脳、改造され兵器として利用されかけた過去がある。まるで言葉の重みが違うな…。正義、か…」
「自分自身が正義だと思ったらそれは間違ってても正義なんだよ!正義は他人の価値観で悪にだってされてしまうんだ!だったら…!やり遂げなきゃ…!」
つい熱くなってしまう、周りの人の視線が痛い。
「正義は言い換えれば自己満足とも言う。つまり偽善だ。これは一度考え直す必要があるようだな…」
「そんな事ない!誰かを助けたい、世の中を平和にしたいという気持ちは紛れもない正義だ!メビウスのは他人に言いくるめられてしまうほど脆い志じゃないでしょう!?」
『志』____心が、ある目的に向かって動く。立てた信念。黒い鉢巻の侍さんが教えてくれた言葉。
「アーク…そうだ、我はここで立ち止まるわけにはいかぬ。遥々この惑星まで足を運ばせた志は、本物だ。ありがとう。初対面のお主に救われてしまうとは我もまだまだ情け無いな。」
メビウスが片手を差し出す。ボクはその手をしっかりと握り返した。
メビウスはある人物に会いにスタビレッジへ行くらしい。ボクは街の外まで見送った。
冬の冷え切った風が、枯れた木々の枝を揺らす。あの人も何処かで、この景色を見ているのかな______
「ここで桜を見たのが、随分と昔のことに感じられるな…」
振り返ると、あの人がいた。
「______ただいま。」
「フロイツェル!」
「違う」
「えっと…フォロイツェル!」
「イケツェル…ではないなぁ…トロイツェル?いや、ネロイツェル…うーん..アザトイツェル?」
「馬鹿にしてるのか」
じわじわとくる熱さ・・・ってヤツを感じました。このメンツで乱戦交えてるのをみたいですね!