【小説】夢夜にねがいを 第11話(ラレイヴ編⑥)

「ねえ…ラレイヴさん」
「なんだい、トア君」
「本当に見つけたのはあたしだけだったの?」
「…そうだよ。残念ながら」
「……」
 ただっ広い草原のど真ん中でそう答える。
 生い茂る草花の上ではミツバチが優雅な踊りを披露しつつ、白い花々から蜜を吸い込んでいた。
 それをぼうっと眺めては、何をするわけでもなく流れゆく真っ白な雲を淡々と見つめる。
 こうしてゆっくりと体を休めるのは久しぶりだ。このところは走りっぱなしだったから余計にそう感じる。でもこんな所でのんびりしていていいのだろうか。時間だって余裕があるわけではないのに……
「ラレイヴさん、少しお話しいい?」
「いいよ。あ、あとラレイヴでいいから」
「え?じゃあラレイヴ。次のダンジョンにあたしも参加しちゃダメ…かな?」
 トア君から投げ出された質問に軽くため息を吐くと、ボクは口を開く。
「ダメだ。君の事情は聞いたよ。自分の町を救うために旅立ったはいいけど、気がついたら一人ぼっちで町にも戻れないって事は。同情もする」
「だったら!」
「でも何度も言うがダメなものはダメだ。ダンジョン攻略は遊びじゃない。何が起こるかも分からない。そんな所に君のような少女を連れては…いけない。分かってくれ」
 ボクがそう言うとトア君は頬を膨らませムッとした表情で顔を逸らす。
 機嫌を損ねさせてしまったかな…でもこればかりは許すわけにはいかない。だって…守りきれる自信がないから。
 それに、もしかしたら傷つけてしまうかもしれない。そんな事だけは絶対に避けたいけど、今までのダンジョン攻略の様子を思い返すと不安でいっぱいになる。
 ボクは…こんな調子で本当にあいつらのリーダーに勝てるのか…?

「あー、いたいたー」
「お、あいつらか!」
「ドキドキしてきた…」
 そんな考え事をしているとどこからか声が聞こえてきたので、そちらの方に振り向く。
 ボクはトア君の頭をぽんと叩くと、不機嫌そうな彼女と共に軽く挨拶を交わす。
「君がラレイヴさんだね?」
 二輪バイクのスタンドを立てながらその人は呟くと、何の警戒もなしに手を差し出してきた。
 ボクは疑問を抱えつつもそのやけに帽子が伸びている男の人と握手をする。
「あ、自己紹介が必要かな?俺はノッポ。この人達とは偶然知り合ったんだ」
 そう言いながらノッポは横に並んでいたグノと紅牙を紹介し始める。
 なんとなく状況が飲み込めたボクは話に割り入るようにノッポの紹介を止めさせる。
「大丈夫、紹介ならしなくても大体分かるから」
「おや、そうかい?」
 その言葉を聞いたノッポは開いていた口を徐々に閉じると、トアの方へと足を運んでゆく。
 取り残されたボクら3人は互いに顔を合わせながら思い思いに口を開く。
「あの…ぼくはグノっていいます。あとこっちは友達の…」
「ガブだ!改めてよろしく頼むぜェ!」
「なんか俺らと同じような境遇だよな、ガアヴァ」
「そうだな、紅牙」
「ボクから見てもそう思うよ」
「やっぱりそうか!あはははは!ま、仲良くやろうぜ!」
 紅牙の笑いにつられて皆で笑い合う。目の前にいるのは2人だけなのに、5人の笑い声が聞こえてくるのは不思議で仕方がない。
 それにしても……
「ねえ、あのノッポって人は誰なんだい?」
「分からない…」
「俺達も今さっきばったりと会っただけなんだよな。おそらく旅人だと思うが」
「うーん、旅人か…」
 旅人というのなら、何故ウィッチは彼に声をかけなかったのだろうか。まさかウィッチが知らなかった…とか。うん、十分あり得る話だ。
 別に人数が多いのに越したことはない。まあ、彼が協力してくれればの話だけれども。

「あ、3人で何を話してるんだい?」
「えーっと…」
 と、駆け寄ってきたノッポに話しかけようとした時だった。突如頭上にぽっかりと穴が開いたかと思うと、草花が波を立て体が上へ上へと吸い込まれてゆく。
 …ウィッチにはここで待てと言われたけど、まさかダンジョンの入り口が突然現れるとは……‼︎
「うおおおあ?!」
「うわぁぁぁ!!」
「紅牙!グノ!ぐっ、まだ作戦も何も…‼︎」
 吸い込まれまいと必死に踏ん張るが、どうも持ちそうにない。
 こうなったら…
「ノッポ!巻き込んで申し訳ないけどこのままダンジョンに乗り込むよ!!」
「ダンジョン⁈」
「そうだ、今から乗り込む予定だったんだ、ボク達は!」
「俺は構わないけど、あの子も?」
「え⁈」
 徐々に伸びてくる影に気がつき視線をそっとズラすと、少し前までそっぽを向いていたはずのトア君がボクの元へと近づいていた。
 ここへ来てはいけない。その事を伝えるため力の限り叫けぶ。
「ダメだ!こっちにくるな!!」
 ボクの声を聞いて一度は足を止めるが、トア君はまるで初めから聞こえていなかったかのように歩みを進める。
「聞こえないのか!ここへはッ」
「聞こえてるよ!!だけど、ここで1人だけお留守番なんて嫌だ!!」
「……ッ!!」
 彼女は自分の思いをぶつけるだけぶつけると、大きく踏み込みボクの体へとしがみついてきた。
 …はあ、ここまで来てしまったら仕方ない。不本意だけど連れて行くしかないか。
 体を自然のままに任せると、そのまま暗い闇の中へと吸い込まれていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「……‼︎」
「あ、起きた!どう、具合悪くとかない?」
「トア…君?うっ」
 頭が割れるような痛みに襲われ反射的に頭を押さえる。なんだ、この痛みは…?頭でも強く打ったのか?いや、それとは少し違うような……
 次々に襲い来る痛みを抑えながらゆっくりと立ち上がると、トア君を心配させないようにと笑顔を見せる。
「ラレイヴ…?」
「本当に、本当に大丈夫だから」
「でも凄く辛そうだよ?座っていたほうが…」
「大丈夫だって!!」
 咄嗟に出した大声にトア君はビクリと驚く。ダメだ、頭が働かない。体もふらふらする。どうしてしまったんだ、ボクは。
 揺れる視界には何もない暗闇が広がり他にはなに1つ映らない。でも、ただの暗闇とは違う…本当にここだけ何もない虚無の空間なんだ。当然こんな空間には一度たりとも来たことがない。初めてだ。
 そんな上か下かも分からない場所は知っている限りでは1つしかない。そうか、ここが……
「ターンオーバータワー…」
 ということはあの頭上に空いた穴がここへの入り口だったってことで合ってたのか。
 でも待てよ、それなら……

 思い出したかのように周囲を注意
深く見回すと、先に吸い込まれてしまった2人の姿を捉える。
 歯を食いしばりながら2人の元へと近づくと、不調である事を必死に隠しつつ無言でグノの頭に手を乗せる。
 するとグノがくるりと振り返ってきたが、その顔を見て驚きのあまり一瞬頭痛が吹き飛ぶ。
「なっ、どうしたんだその顔!!」
「あ、顔だァ?元からこんな顔だったろうが!」
「え…⁈まさかその声…ガブか?」
「あぁ?ああー…ア?!!」
「やっぱりそうだ!君、グノとポジションが入れ替わってるぞ!!」
「うええ⁈嘘だろおイ……」
 ガブはそんな事は信じまいとグノの体をペタペタと触りまくるが、しばらくすると現実を受け止めたのか大きく深呼吸をし始める。
 このダンジョンの別名は〝反転ダンジョン〟
 何かが入れ替わるという情報は得ていたけど、まさかポジションが入れ替わるなんて…
「うおおおい!どうするんだこれェ!何故かグノのやつも返事を返さないし!!」
「もしかして…喋れないんじゃないかな?普段と体が違うから…」
「ハ⁈そんな事あるワケが」
「あると思うぞー?なあ、お前さん達」
「「お前もかー……」」
 いたよ、もう1人まんまと同じ状況におかれたのが。まさかすぎるよ……
「それで、ラレイヴよ。お前さんは何が入れ替わったんだ?」
「分からない……」
「分からないって…そりゃないぜ!絶対に何かと入れ替わってるダロ⁈オィ!!」
「でも特にそんな様子は…」
 ないとは思うけど、でも確かにボクだけ何とも入れ替わってないはずはない…か。
 そこで腕をぐるぐると回しその場でぴょんぴょんと跳ねてみるが身体能力に関しては特に変わった様子は見られない。
 2人に見た目の変化がないか確認してもらうが、特に変わったところはないという返事が返ってくる。
 あとは…ここに来てから唯一違うのは頭痛が止まらないという事だけだが……
「関係ない…か」
「何か言ったか?」
「いや、なんでもない。さ、早く行こうか。ここに長居は無用だよ」
「まあ…そうだな」

 ボクらは首を縦に振るとトア君とノッポの元へと近づく。
 トア君はボクらの接近に気がつくと困ったような表情を浮かべて後ろを振り返った。
「トア君…?何かあったのかい?」
「ラレイヴ…どうしよう、ノッポさんが……」
「ノッポがどうかしたのかい?」
「うん…それが……」
 トア君の視線の先に映るノッポを見てみると、彼の体は小刻みに震えていた。
 もしかしてノッポも何か入れ替わって……⁈
「おえええええーー!!!!」
「え…?」
「おうう…ぎ、ギモヂ悪い……」
「な、なんで吐いてるのかな…?」
「あぁ…君か……なんだか吐き気が止まらなく…て…ゔぇえ”!!」
 汚いものを滝の如く激しくぶちまけ続けるノッポに背を向けると、一歩一歩その場を離れる。
「待って!」
 そう響いた幼い声に一瞬足を止めると、口を開く。
「トア君……ノッポを…頼む」
「ラレイヴ…?」
「頼むヨ…もう、時間がなイ」
「分かった…絶対に追いつくから、それまで待ってて……‼︎」
「……」

 返事は返さない。だけド……
「行くよ…ガブ、ガアヴァ」
 さっさとココを抜けよう。じゃないと……

 ボクがボクでなくなりソウダ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ……それからボクは何をした?
 夢のかけらを無事見つけた?ダンジョンを攻略した?みんなと共にここから抜け出した?

 ……違う、違うチガウ。
 ボクはただ壊したダケダ。大切な物を。してはイケナイ事を。

 あの後、ボクらはダンジョンの奥地でココのボスに出会った。
 ガブとガアヴァは己に自信があるのか、マッサキに飛び出しタタカイを始めた。
 でもボクは打ちつけられる頭痛で動けなかっタ。戦わなくてはいけない。頭では分かっていてモ、体が動かない。動かせない。
 何もナイ空間ノ中で混じり合う怒声ト衝撃音。巻き上がる無機質な瓦礫と白濁なケムリ。
 次第にキズだらけになってユク勇気あるモノ……
 普段なら見ていられないような景色ガ、とても美しいモノに見えた。目が釘付けにナリ、見ているだけで心がオドリだしてしまう。

 ……ソシテ。

「いつつ…おイ、いつまでそこでつっ立てるんだ⁈おまえも早く手伝いやガレ!」
「ガブの言う通りだ。お前さんも少しは手を……」
「……」
「あ⁈おいおい、何してんだラレイヴ!やめ…」
「ラレイヴ⁈お前さん、敵を間違えていないか!俺様達は味方…」

 ボクは2人の話ナンテ耳にも入れズ、黒い剣でナンドもナンドも斬りつけた。
 グチャリと気持ちのイ”イ”音を立てながら次第に酷い姿を晒してゆく。鳴り響く悲鳴が脳に直接響き渡り喜びで体が震える。
 やがてか細い息を懸命に吐くだけにナッタ2つの残骸のなりそこないを見つめ……

 我に返った。返ってしまった。

「…」

「……なんデ」

「………ドウして」

「…………もう…ワカラナイ……」

 暗い。冷たい。寂しい。辛い。

 こんなハズじゃなかった。こんなのはボクじゃナイ。チガウ、ぜったいにチガウ。

「ゴメン…ごめん……うゔ………」

 アヤマッタって何も変わらないのに。このケガレタてハなみだなんかじゃ洗えないのに。
 目の前にハキズだらけノ2人が…..コウガとグノがピクリとも動かずに倒れてイタ。

「ボクがヤッた……ボクがダークマターだから……ボクが…….」

〝カレラヲコロシタイトオモッタカラ〟

 終焉の塔でボクは1人崩れ落ちる。

 ここはターンオーバータワー。
 ボクの旅に終わりを告げる場所……

「なんダ…こんなところで終わってシマウンダ……コンナ……」

 ボクは…ボクは……

「…1人じゃないよ」

 ……コエ?ダレの…?
 デモ聞き覚えがアルヨウナ…

「大丈夫だよ、安心して」

 なんだろう…とてもアタタカイ。マルデ包み込まれているヨウナ…
 でも嫌じゃない。なんだかとても安心する……

「……うぅ」
「…!目が覚めたんだね…良かった……‼︎」
「トア……?」

 気がつくと目の前には涙を流したトアがボクの事を見つめていた。
 ……そっか、今までの声は…

「もう……大丈夫だよ、トア…くん」
「本当の本当に……⁈」
「ああ……だから、そろそろ抱きしめてくるこの手も離してもらえないかな…?」
「…あ!ご、ごめん!!」
 トア君は顔を真っ赤にしながら慌ててボクの元から離れると、止まらない涙を拭きながら口を開く。
「あたし…見ちゃったの。ラレイヴが2人を襲うところを。でも違うんだよね?これが本意じゃないんだよね⁈」
 ボクはゆっくりと起き上がりながら「ああ」とだけ返す。
 そうだ、あの2人は!グノ、紅牙は……‼︎
「おいおい、どこを見てるんだ?探し物ならここだぜ?」
「グノ…いや、ガブ。傷がッ」
 直後右頬に鋭い痛みが突き刺さってくると、そのまま地へと叩きつけられる。
 なぐ…られたのかボクは……?
「ガブ…ボクは……」
「御託はいい!さっさと立ちやがれ!!」
「やめてよガブ!ラレイヴは…!」
「うるさい!おまえは黙ってろ!!!!」
「トアよ。ここは少し口を閉じててもらおうか?」
「うっ……」
 ガアヴァの気迫に負け、たじろぐトア君を横目で見つめていると、ガブはボクに怒声を浴びせる。
「おイ、ラレイヴ!よく聞け?おれは別におまえに攻撃された事を怒ってるんじゃねえ!!」
「……⁈」
「傷はこの通りそこのトアってヤツに治してもらった!今じゃこの通りピンピンしてる!だがよ…気に食わねえ!」
「えっ……」
「何故辛いのならおれ達に相談せずに黙ってやがった!!何故1人で抱え込んだ!」
「それは…」
「おれ達は共に戦うチームなんだろ⁈だったらもっとおれ達に頼れよ!おまえは何も1人でここまで来たわけじゃないだろ!!!」
「!!」
 そうだ、ボクはここまで1人で来たわけじゃない。たくさんの人達の協力を得てやってこれたんだ。それなのにボクは……
「ごめん、ガブ…ガアヴァ…」
「へ、分かればいいんだよ。だから今回は特別に許してやるヨ!グノも無事だしな。なあ、ガアヴァ?」
「そうだな。さてと、それじゃあさっさとこんなところとはおさらばするか」
「2人とも……‼︎」
 熱くなる目頭をグッと抑えてボスの方へと振り返る。
 ありがとう、ガブ、ガアヴァ、そして……トア。君たちのおかげで…またボクは前を向ける……‼︎
「ラレイヴ…」
「行こうトア君…この先へ!」
「う…」
「オラオラオラオラァァァ!!!どきやがれえ!!」
「「?!!!」」

 突然背後から激しいエンジン音が響き渡り、その音に驚きすぐさま振り返るとイカついサングラスをかけたノッポが黒光りしたバイクと共にこちらに突っ込んできた。
 それを咄嗟の判断でボクらが避けると、ノッポはここのボス目掛けて突っ走ってゆく。
「ヒャッハハハァァァァァァァ!!!!!!」
「ノッポ⁈」
「喰らってくたばれ!!ダイナミックストライク!!!」
「「それただのひき逃げェ!!!」」
 荒れ狂う運転により浮き上がった前輪を自慢の瞳に直撃でもらってしまったボスは、そのまま吹き飛ばされ壁に衝突して動かなくなった。
 するとそれを確認したノッポはその場でUターンを決めボク達の前でバイクを止めると、ボクに向かって何かを投げつけてきた。
「うわっ⁈な、なんだいこれは…って、これ夢のかけらじゃないか!どうしたんだいこれ!」
「ふっ……ここに来るまでの間に落ちてたから拾ったのさ」
「ひ、拾ったって…」
「ねえ、それよりも具合は大丈夫?安静にしててって、あたし言ったと思うんだけど…」
「心配には及ばないさ、可愛い子羊ちゃん。この通りピンピンしてるさ」
「…ごめん、あたし頭の方は診てなかった……」
「……頭っ⁈え、ええ⁈」
 困惑しているノッポを見て、どっと肩の力が抜けていく。他のメンバーもどうやら安心したようだった。
「それじゃあ、もうここから出ようか」
「さんせーい!」
「やれやれ、やっとか」
「よーし、それならコイツだけ置いて行こうぜ!グハハハ!!」
「いやいや、待ちたまえ!あ、待って!本当に待って!置いてかないでー!!!」
 こうしてボクらは反転ダンジョンを後にした……

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「いやー、大変だったね!ラレイヴ!」
「その通りだね…ボクなんて皆に迷惑しかかけてないよ……」
「そんな時もあるって!ほら、この種食べて元気だして!」
「食べられないよ!というより、この種一体なんなんだろうね?」
「分かんなーい!どこかで育ててみる?」
「そうだね」
 果てしなく広がる草原をとぼとぼと歩きながら、そんな会話を繰り返す。
 あの後無事ダンジョンから脱出したボクらは、一息ついたのちその場で別れた。
 グノと紅牙は2人とも入れ替わっていた時の記憶がないらしいとのことで、出番のなさにかなり嘆いていた。
 一方キャラ崩壊を起こしていたノッポは記憶はあったものの、なんだか自分じゃないような気持ちだったと言い残して一目散にどこかへと消えてしまった。たぶんそうとう恥ずかしかったんだろうね。

 そしてボクはダークマターの抑える力が反転し、力がにじみ出てしまったわけだけど、トア君のおかげでなんとか戻ってくることができた。あの時あのままだったらと思うと…ぞっとする。
 あ、反転と言えば……
「そういえば、トア君は一体何が反転していたんだい?」
「えー?分かんない」
「分からないって……」
「別にいいんじゃないかな!終わったことだし!」
「……だね」
 トア君の笑顔を見ながら、ボクはそう答えた。

つづく。

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2件のフィードバック

  1. より:

    ノッポさん登場ktkr
    そしてノッポきたねえええええwww
    ガブさんかっこいい頼れる兄貴ですね
    ラレイヴさんトアちゃんいなかったらそのまま闇堕ちしてたってことか…
    ノッポさんの豹変ぷりクソワロタwww
    反転ダンジョンならではの出来事ですね
    執筆お疲れ様でした!

    • rop より:

      今頃コメントに気がつきました!すみません…!
      反転ダンジョンはキャラ達の別の顔が見れるのがいいですね(特にノッポさんはお気に入り)
      トアちゃんの存在はラレイヴさんにとって大きなものになったんじゃないでしょうか

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